チーフ 吉田 雄貴
新しいことができるのは楽しい。好きだから吸収する。
先輩からアルバイトに誘われた。新しいことをどんどん覚え、仕事が大好きに

生まれは仙台、育ちは名古屋。大学で仙台に来て、そこからずっと仙台にいます。
大学時代(学院大・経済学部)に先輩から誘われて、東放で4年間アルバイトをして、そのまま新卒で就職しました。
アルバイトの時から、この仕事が好きなのだと思います。
色々なことをやらせて貰い、やっていくうちにのめり込んで楽しくなっていきました。家族といる時間以上に一緒にいて、かわいがって貰いました。
新しいことができるのは楽しいです。好きだから吸収する。
入社後のステップは?

入社後は、アルバイトでできたことよりも多くの仕事を任され、責任も出てきました。
ステップアップとしては、最初の3、4年は現場に連れて行って貰ってひたすら仕事を覚えました。その上で、先輩の下について1つのコンサートのサブチーフとして、使う機材を拾い出して持って行き、現場で仕事をするようになっていきます。
そうした経験を積んで、現場のチーフとして、その現場を仕切るようになっていきました。
自分で現場を担当し、お客さんから直接仕事を頼まれ、実行し、支払いを受けるまでを受け持つようになります。
チーフとは?

一切合切を引き受けるのがチーフです。
チーフは、仕事が来たら、まず図面を描きます。
「いついつこれをやるのにこれくらい時間がかかります」等と相手と打ち合わせをして、「~時からこれくらいの人数でやりましょう」と決めます。うちの社員数では足りないので、関係各所から人を呼びます。
「拾い出し」と言って、使う機材が出るので、その機材の数量を出して、倉庫からトラックに積み込みをして現場に行き、設営をします。
本番中も現場にいて、終わったら撤去してトラックに積んで倉庫に戻り、請求関連の話をする。それを全部やるのがチーフです。
仕事はどのように始まり、進んでいく?

例えば、お祭りだとすると、主催側から、いついつにこういうお祭りをやりたいと開催場所に連れて行かれ、ここに縦横、高さこれくらいの大きさのステージをつくりたいといった話から始まります。
このように、主催者から直接声がかかることもあれば、社長が仕事を取って来て、社長から振られることもあります。私の場合は、3分の1くらいが、過去に一緒に仕事をさせていただいたお客様からです。技術スタッフが営業担当でもあるというのは、こういうところからです。
依頼を元に、Vectorworks(ベクターワークス)という図面を書くソフトを使って図面を描きます。
ベクターワークスは入社してから勉強して使いこなせるようになりました。メジャーなソフトなのでテキストもありますし、専門学校等の教室もあるはずです。
設営の人数が足りない時は、舞台設営等、同様の業界から助っ人を呼んできます。お互いに、助けたり助けられたりです。
同じ業界といっても、担当に違いがあって、うちは、グランディ21、ゼビオアリーナ、仙台サンプラザホール等、大きな施設を主に担当しています。
本番中は、規模にもよりますが、2人くらい常駐し、手直し等に対応しています。リハーサル後に変更が出る場合もあり、開場前に調整します。
それ以外は、前日までに確認も済ませているので、当日は撤去についての打ち合わせ等をしています。
仕込む時から常に撤去のことまでを考えて仕込んでいて、それが仮設としての腕の見せ所でもあります。いかに早く撤去できるようにするかということと、いかに丈夫に安全につくるかという両方を突き詰めます。
仮設ステージは、組むのにかかった時間の3分の1くらいで撤去できます。
現場は毎回違いますが、基本は同じなので、基本のベースを覚えればあとはそれに付け足して応用していけばいいので、そんなに難しくはないです。
コンサートで言えば、最初はお客さんが土足で入れるよう養生することから始まり、最初にステージを組むのではなく、そのステージの上にはアーティストを照らす照明や色んなしかけ物があるので、天井に吊り物をして、その後に下のステージを組んで、そのステージの上に飾りをつける。そうした基本ベースは変わらないです。
あとは場所が違うだけです。体育館みたいなアリーナでやるか、外の何もない更地で一からやっていくのかの違いです。
仕事の魅力は?

コンサートは常に進化していき、同じものを2回、3回と仕込むことはなく、毎回新しい、新鮮なものを仕込むので、マンネリ化しないところが魅力です。
自分が施工したもので喜んでもらえているのを自分の目で見られるところもいいですね。
エンターテインメントという人々の娯楽、ないならないで死にはしないけれども、満足できない、満足の部分を担っていると。
人の楽しみの助け役になれるのが魅力です。
仕事の一番好きなところ、やりがいは?

天井の吊り物(舞台セットに照明・音響機器、幕などを吊り下げる)を担当することが多く、その仕事が好きです。様々な物、数十トンの重い物や形的に扱いづらい物をいかに安全に吊れるかを図面上で検証しながらやっていくのが好きです。
また、ここでこういう風に吊れるのでこういうコンサートもできますよと提案できるのも楽しいです。様々な舞台が創れるのと同じで、方法を変えればいろんな物をいろんなかたちで天井に吊れるので面白いし、一番やりがいを感じます。
今は、「機構もの」と言って、人が上から降りてきたり、幕が下りてきたりすることが増えています。色んな不思議な物を吊ったりします。物自体は、そのツアーでしか使わない特殊な物で、「持ち込みもの」と言って、ツアー側が持って来ます。トラックに積んで全国を廻っていき、我々のような現地の業者が受け取って吊ります。
図面の段階で、「これは一体何だろう?」というところから始まり、現場で実物を見て、「ああ、これかあ。これを吊るのか」と。あまりに特殊な物は、他の会場に下見で見に行きます。我々が安全に施工し、それをツアー側のオペレーターが操作するというわけです。
こうした、ものすごく難しい、面倒くさい物を、設計通りしっかり吊れた時はやりがいを感じます。
無事にコンサートができた時に一番やってよかったなと感じます。
一番ホッとするのは、無事にコンサートが始まった時と、撤去が終わった時です。
チームワークは?

社内のチームワークとしては、いつもメンバーで協力し合って進めています。
大声が飛ぶこともありますが、責任の大きなことを、決められた時間内に安全にやらないといけないので必要に応じたことだと思いますし、学生のバイト時代から、気になったことはありません。危険なことをやりそうになるから怒られるのであって、理不尽なことはないです。
スタッフとして、東京からも含め色んな人が来るのでチームワークも楽しいです。毎年コンサートの時期に会ったり、数年ぶりに会って再会を喜んだり。日本全国色んな人と仕事ができるのは面白いです。
東放の強みは?

昔からやっているので、知識・ノウハウがしっかり溜まっています。事前準備もしっかりしていて、ミスなく事故なくということを地道に続けることができています。
会場ともツーカーなところがあり、「東放さんにお願いすればしっかりやってくれるだろう」と、信頼から仕事がいただけているところが強みだと思います。
技術も上の代からしっかり引き継がれています。
一方、コンサートが増えるなど、仕事の中身が変わってきていたり、舞台装置も進化してきているのでその都度、柔軟に対応、革新していくことも大事です。
昔の知恵も入れつつ、新しいことにも対応していくことが大切だと思います。
社風、会社の雰囲気は?


- 安全の圏内であれば、頼まれたことは断わりません。できないとは言わない。難しくても最後までやり遂げます。だからこそ色んな仕事を頼まれていると思います。
- みんな、元気がよく、現場でも和気あいあいとしています。
- 現場で不具合が起こらないよう、事前準備や確認、当日の人数配備をしっかりしています。
その甲斐あって、事故や失敗は起きていません。みんなでフォローし合う社風です。
どんな人が東放に向いている?

負けず嫌いで好奇心の強い人だと思います。少しやんちゃなくらいでもいいかもしれません。やる気、覚える気がないと、どんな仕事でも長続きしないと思います。
あとは、仕事を好きになれるかどうか。
手先が細かい人、器用な人も向くと思います。木工など、つくりものもあるので重宝されると思います。
体を動かすことが好きな人もいいですね。机にずっと座ってする仕事ではない仕事をしたい人には向いていると思います。
怒られることもありますが、中身は納得できるものなので、頑張って次はできるようになっていようとか、前向きだといいと思います。
給与面は、一生懸命働いた分しっかり報われます。残業がある場合もありますが、残業代もしっかり付きます。
うちは社員の定着率も高いです。好きなのと、チームワークで助け合って仕事ができているからだと思います。